更新:Part2追加 2002年7月13日(チューニング編)

今までになかった?メカニズムを持ったリール・・
だからインプレ Abuがこんなん作ってしまいました。

Abu Garcia ambassadeur®
EON SPORT 3601
abu
Part 1
EON画像1

第一印象

はっきり言って普通トップ専門の人はこんなリール使ってないと思います。

でかいプラグをぶん投げるのに気持ちいいかと言えば、そんなことはありません。もしもブレーキゆるゆるで使うなら、むしろラバジの葦打ち用といった感触があり。たぶんその用途にはぴったりだと思えます。

しかし、こいつは飛びます。葦打ちだけするにはもったいないリールです。そう言う意味では現代的。プラスチックもしくはカーボン丸出しなのも現代的。どこかロボットのようです。

おっと!それからこのリールは普通の、というかまあ一般的なトップウォータープラグのキャスティングにはまったく不向きだろうと思います。特にグラスのスローなロッドでのキャスティングが命と思っていればなおさら。

このリールの飛びの感触としては、フルキャストしようとしたときにはかなりライナー性で飛ばすのに向いているところがあり、ライナー性の飛びというのは特にナイトにおいては致命的に着水音をコントロールしにくいという難点がありです。ライナー性ということは、飛んだルアーがポイントに到達する時間が短く、「サミングで速度を殺してルアーを水面に置く」といった感じのキャストが難しいっす。(私には)

 

プラネタリーギヤ

プラネタリーギヤ

このリールには他のリールにはないいくつかの特徴がありますが、「プラネタリーギヤシステム」が最も特徴的。外見上の最大の特徴でもある、ハンドル軸とスプール軸が同じ延長上にあるのはこの仕組みの結果です。これはもしかすると、長い間気付かなかったかなり自然な巻き取り感があるかも知れません。

今までのリールはハンドル軸とスプール軸のそれぞれで合計2個のギヤで駆動する仕組みです。しかしEONは合計5個のギヤが働きます。それだけ、ハンドルの力をスプールにかけるのに高効率ではあるようです。ただし、ギヤが多く回るだけに「シャコシャコ」とした音がするのも確か。(EON Proの方はどうだろうか?)。あー、後でわかりましたが、このシャコシャコ音はもしかすると初期不良と関係あったかも。(※1)

The first use of planetary gears enabled the complete redesign of the baitcasting reel for power and control unlike any other reel available.
EON画像2

ドラッグダイヤル

プラネタリーギヤを使うこととなったせいか、ドラッグを大口径とするスペース的な余裕があるのかも知れません。このドラッグ調整はスター形ではなく、写真のようなダイヤル形で、大変にアクセスが良い物です。また、大口径でグリス湿式のために滑り出しは大変スムースです。これに関して言えば、前のスター形ドラッグのリールには戻りがたいものを感じます。大変スムースにドラッグ力を変更できます。

EON画像3

メカブレーキダイヤル

これがまた特徴です。ハンドル軸のまんま上に位置しています。これのアクセスも非常に良い。ルアーによって調整回数が多い方は重宝することでしょう。しかしながらアクセスが良いだけに、移動時などにどこかに触れて、知らない間に調整が変わってしまうという人もいます。

がしかし、後になってわかりますがこのハンドル軸上にあるメカブレーキダイヤルが、それかハンドル軸上にあるために問題点をはらむことになります。(追記:7月3日)

 

EON画像サイドカバー

遠心ブレーキ

旧Abuに代表されるパイプ式でなく、リョービのフライングアームに近い形式です。ところで、このブレーキがまたもやグリス湿式なんですね。私はEONを入手してからすぐ、このグリスをふき取ってしまいました。しかしこれは大間違い、必要なグリスです。これはオフィシャルに確認済み。

シマノでは流通過程でのサビ止めとして遠心ブレーキのリム部にオイルかグリスを使っており、それを取り去ってから使うそうですが(村田基氏談)、EONはどうかそのまんま使って下さい。

EONでもしもこのグリスを取り去ると、ブレーキウエイトの摩耗、それにブレーキの摩擦音が大きい、そしてブレーキ効きすぎ。実際、グリスなしで使用したためにブレーキウエイトの早期交換を余儀なくされたユーザーもいたそうです。

なお、EONでバックラしまくりで困るという方は、ブレーキウエイトの作動部に多量なグリスが付着していないか確認。本来軽く作動するブレーキウエイトがグリスで固着してませんか?グリスはプレート部にうっすらが適正量のようです。

また、ブレーキプレートと周辺のプラスチックパーツのバリが作動不良の原因になっていることもあるようです。

追記:

ブレーキブロックはドーナツ型金属プレート内径の1mm程度にしか触れない様子です。全面にグリスを着けても意味なしです。

AWARD画像
EON has been selected as one of Field & Stream's "Best of the Best" new outdoor products for 2001!

実際に投げると、そしてベアリングは

かなり音がする方です。遠心ブレーキの摩擦音に加え、スプールのベアリングの鳴りもあり(※1)、それが樹脂製のボディで助長されている様子。「ピシューーン」といった感じの音。たぶん、使用してあたりが付けばましになる感じがあります。これは今までAbuを使ってきた経験上。。。

ベアリングに関してはヨーロッパのSKFという会社との共同開発(SKFスプール)。分解はもちろん、給油すら禁止されています。ちなみに、このベアリングは淡水用で海水には使えません。(ソルト用のEONシリーズが出ています)

初期不良発覚!

(※1)使用10時間程度のころ、スプールを指で弾いて回してベアリングのゴロゴロ感が目立ちはじめる。なんだかキャストが決まらず、投げるたび飛び方が違うような雰囲気です。スプールを取り出して軸を指で持って回転させてみたところ、そのゴロゴロ感は尋常なものではないことが発覚。ときおり「クキッ!」とひっかかって止まるほどになっている。なんだこりゃ?最初にキャスト時の音が大きいと思ったのは、どうやらスプールベアリングの初期不良という様相が大。

ショップへ持ち込み、新品のEONと比べてビックリ、まともな物はほんとうにシルキーに回るじゃないですか?これはどうも初期不良の様子。クレーム処理として修理出しとなりました。(2002年5月18日)

6月29日 EON 修理戻り。なんとトータル40日のサイクル!

Part2

↓2002年7月13日追記

メカニカルブレーキ設定値の不安定さ発覚

EONを使い始めたものの、そのメカニカルブレーキの効き具合がどうもおかしいということで使用を中止されている方を散見します。確かに私のEONもそのようです。修理上がりで戻ったEONははっきり言って使い物にならないほどの状態でした。この際、ピュアフィッシングのリペア担当者に文句を言う気にもなりません。または、解っていてもサジを投げている可能性もないとは言えず。

がしかし!

私個人の思いとしてはこの冒険に満ちたデザイン、設計のリールをどうにか実用機として使いたい。

事実は知りませんが、この筐体デザインはかのポルシェデザインか、もしくはフロックデザインが作ったと思えてなりません。好みは別れるでしょうがこのデザインは独特で、単に今までのリールの延長上にあるものではありません。そして実際のところデザイン自体は実用性はすこぶる高いと思うのです。そして随所にエンジニアの挑戦があるように思えるのです。

実際のところ、この構造だと大変巻きごごちが良いのは確か。パーミングはしやすいし、ドラッグも本当に扱いやすい。

EON画像上

さて、上の写真を見てわかる通り、EONはメカブレーキダイヤル、ハンドル軸、スプールシャフトがまったく同一のラインにあります。

なにせメカブレーキ調整の要(かなめ)であるダイヤルがハンドルといっしょにクルクル回る!なにせハンドル軸ですから、軸方向に幾ばくかの自由度があり、それといっしょにメカブレーキダイヤルも動いてしまう!こんなで安定したメカブレーキ調整しろというのが所詮は困難なところ。

ところが、これがちょっとしたチューンで実用レベルとしてはまあまあ問題なさそうな程度にはなります。

 

EON画像スプール

要するに、左の画像のD、このブロンズブッシュがスプールシャフトCを固くつかみ過ぎているのが、メカブレーキの調整不安定の要因になっていることがありげ。ですから、スプールシャフトがメカブレーキ調整ダイヤルAによってスムースに軸方向に動けばOK。

そこで、Cをコンパウンドでちまちまと磨き、Dとの出入り自由度が高まるとメカブレーキ固着的な動きの悪さが軽減します。お試しあれ。

また、ことによってはスプールシャフトのB側もコンパウンドで磨きを入れると新しいマシンでもかなり良しなこともあります。ただこの部分は実使用で適度に摩耗が進むので、自然に摩擦が減る傾向にあります。

参考HP:Abu Garcia オフィシャルサイト

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